家族信託を活用する場合、どのように手続きを進めていけばよいのでしょうか。不動産を信託財産とする場合を例に、一般的な流れを見ていきましょう。
家族信託手続きの流れ
家族信託の目的の明確化
信託内容の決定
信託契約書案の作成
公正証書による信託契約の締結
信託登記・名義変更
信託計算書・合計表を税務署に提出(毎年)
まず、何のために家族信託を活用するのかという目的を明確にしたうえで、信託契約の内容として、次のような項目を決めていきます。
- 委託者、受託者・第二受託者、受益者・第二受益者
- 信託財産
- 信託期間
- 信託期間終了後の財産の帰属先
信託内容が決まったら、契約書案を作成して公証人と協議し、公正証書としてまとめます。契約締結がすんだら、速やかに信託登記申請を行い信託財産の名義を変更します。ここまでで家族信託の組成手続きは完了ですが、その後、信託財産から年間3万円以上の収入がある場合は、受託者は、1月31日までに前年分の信託計算書および信託計算書合計表を税務署に提出することが必要となります。また、受益者は、毎年の確定申告において、通常の不動産所得用の明細書の他に信託財産に関する明細書も添付します。
家族信託の活用にあたっては、どのような財産があり、誰が相続人となるのか、財産分割でもめる危険はないか、健康や認知症の心配はないか、といったことについて、家族みんなで話し合いをするところからスタートすることが重要です。
あなたやあなたの周囲の方が抱える問題を解決するために、家族信託の活用を検討してみませんか。