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家族信託と成年後見制度

そろそろ親の認知症が心配と感じている方の中で、親の預貯金等の財産を管理するために、成年後見制度の利用を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、成年後見制度の利用者は年々増加しており、平成29年12月末時点で約21万人が利用しています(最高裁判所資料による)。ところが、親の将来を案じて子どもや兄弟姉妹等が申立てを行う場合が多いものの、実際に成年後見人となるのは、親族よりも司法書士や弁護士などの第三者の方が多いのです。

成年後見制度には、家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」と、本人が元気なうちから後見人を依頼しておき、判断能力が低下してから後見が開始される「任意後見」があります。成年後見制度は、主に本人のために財産を維持することを目的としているため、親族は、生前贈与や資金運用などによって、むしろ本人の財産を減らす立場であるとみなされてしまい、そのため家庭裁判所によって親族以外の第三者が成年後見人に選任されることが多くなってくるのです。

それでは、将来の親の認知症が心配な場合、家族信託と成年後見制度(法定後見、任意後見)のうち、どの方法を選べばよいのでしょう。それぞれ、できること、できないことがありますので、違いを理解したうえで選ぶことが重要です。家族信託と成年後見制度には、一般的に次のような違いがあります。

※スマートフォンでは下記の表がスライドします

    家族信託 法定後見 任意後見
効力の発生 判断能力が低下する前に、本人が選んだ人と信託契約を締結したとき 判断能力が低下してから、家庭裁判所に申立てを行い、後見人が選任されたとき(ただし、申立て人が選任されるとは限らず、司法書士や弁護士などの第三者が選任されることが多い) ・まず、判断能力が低下する前に、本人が選んだ人と任意後見契約を結び、判断力が低下してから裁判所に対して任意後見の申立てを行う
・家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときに、任意後見が開始される
目的・役割 ・信託契約により、柔軟な財産の管理や運用、処分が可能・身上監護(医療
・介護など身の回りに関する法律行為)はできない
・財産の維持管理(本人のための支出のみで、積極的な運用や贈与などはできない)
・法律行為の代理(同意・取消も可能)
身上監護も可能
・任意後見契約により、柔軟な財産の管理や運用、処分が可能
身上監護も可能
自宅の処分 ・信託契約によって自由に行うことができる ・合理的な理由がある場合に限り、裁判所の許可によって行うことができる ・任意後見契約によって家庭裁判所や任意後見監督人の同意なく行うことができる
死亡後の財産 ・信託契約によって、財産が凍結されず、自由に遺産整理や資産承継を行うことができる ・本人の死亡により後見が終了するため、相続財産を相続人に引き継ぐのみ(遺産整理などは行わない) ・本人の死亡により後見が終了するため、相続財産を相続人に引き継ぐのみ(遺産整理などは行わない)
犯罪被害への対応 ・信託受託者に契約の取消権はないので、契約を取り消すことはできない ・法定後見人には取消権があるため、契約を取り消して被害を回復することができる ・任意後見人に契約の取消権はないので、契約を取り消すことはできない
コスト ・信託受託者への報酬は、信託契約によって自由に設定できる
・一般的にランニングコストは低い
・法定後見人への報酬は、家庭裁判所による報酬付与審判によって決められる
・財産額によって月額2~6万円、特に困難な事情があった場合は50%以内で上乗せ
後見監督人がいる場合は月額1~3万円
・本人と任意後見人との話し合いによって決定する
・任意後見監督人への報酬は月額2~3万円

成年後見制度に比べて低コストで自由度も高い家族信託ですが、身上監護は行うことができません。施設への入所や退所の手続き、入院手続きなどの法律行為もあわせて行う必要がある場合は、任意後見制度と併用することも考えてみてはいかがでしょう。

あなたやあなたの周囲の方が抱える問題を解決するために、「家族信託」と「成年後見制度」の使い分けを検討してみませんか。

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