遺言書には有効期限はありません。書いた方が何年前に作成してもずっと効力はあります。

但し、以下のように制度的に遺言書が効力を失うケースも存在します。

◇何通も遺言書を作成したケース

遺言を書く人が何回も遺言書を作成した場合、従前の内容とかぶる部分については、最新の内容が効力をもつことになります。(例えば、最初の遺言で自宅を長男に相続させる、と記載して、その後に自宅を長女に相続させる、と記載した場合は新しい遺言の内容が効力を持つことになりますので、自宅は長女が相続することになります。)

◇保管期間経過後の公正証書遺言

公正証書遺言は公証役場にて保管されるため、書き手にとって不本意な破棄や偽造のリスクがありません。しかし公証役場での保管期限は法律では原則20年と決まっていますが、特別な事由(生存)により保存の必要があるときは保存義務があるため、公証役場によっては、遺言者が120歳になるまで保管されます。公証役場にて保管されていれば紛失しても公証役場に申請をすれば遺言の謄本の取得が可能ですが、公証役場にて保管期間経過後に紛失をしてしまった場合は、その内容を証明することができなくなります。

(本内容は、DCT司法書士事務所 相続贈与マガジンより一部抜粋して記載しました)